以前にお勧めした「不動智神妙録」にこんなことが書いてあります。
「止まると申すは何事につけてもその事を心に止むるを申し候。
ー中略ー
向ふより切る太刀を一目見て、そのままそこにて合はんと思えば、
向ふの太刀にそのまま心が止まりて、手前の働きが抜け候ひて、向ふの人に切られ候。これを止まると申し候。」
武術は「居つく」ことを嫌います。「起こり」もダメです。
そして言いきります。
「至極の位に至り候へば、手足身が覚へ候ひて、心は一切入らぬ位になるものにて候。」
「無念無心にて山田のかかしの位にゆくもの也。」
かの双葉山は「未だ木鶏足りえず」と言ったとか。
すべてを捨てられる心こそが最強ということでしょうか。