日本刀には樋が彫られたものがあります。
「樋は強度を増す為に彫られるのか?」
良くこうした質問を受けます。
多分、H型鋼を思い浮かべたのかと思います。
これの答えはノーです。
強度は増しません。
樋を彫る一番の理由は重量軽減です。

正確に言えば樋は強度をさほど落とさないまま軽量化が出来る。
樋のない刀に樋を彫れば強度は確実に落ちます。加えて、元々樋のないことを前提とした刀に樋を入れるのはバランスを考えると感心しません。
 
軽量化を手に入れる代わりにいくつかのデメリットを受け入れなくてはなりません。


 

樋のある刀は一度曲げると直しにくい
研ぎ代が割高
試し斬りの場合には引っ掛かる可能性がある

音が出る

音が出るのを好む筋の方もいるようですが・・・私はよろしくないと思っております。
理由はいくつかあります。
ここでは割愛します。

どちらが良いとか良くないとかではありません。
樋のある刀とない刀はメリットとデメリットを良く考えて決めることをお勧めします。