五輪書1

久々に五輪書です。
水の巻に「太刀の道といふこと」というのがあります。
原文のまま一部を書きます。

太刀の道を知るといふは、(中略)道筋をよく知りては自由に

振るものなり。
太刀を速く振らんとするによりて、太刀の道逆(さから)ひて

振り難し。
太刀は振りよきほどに静かに振る心なり。
あるいは扇、あるいは小刀などつかふやうに速く振らむと思ふによって、太刀の道違ひて振り難し。
それは小刀刻みといひて、太刀にては人の斬れざるものなり。
太刀をうち下げては上げよき道へ上げ、横に振りては横に戻りよき道へ戻し、いかにも大きに肘を伸べて強く振ること、これ太刀の道なり。

静かに振る心、速く振ろうと思わないこと。
速く振ろうとすると斬れません。
それは刀の道筋を邪魔するから。
振ったあとは一番戻りやすい道筋を辿れ。

ポイントはこんなことでしょうか。
いつも稽古で何度もお話していることです。
刀を振るのは身体ではなく心です。

これをまず知ってほしいと思います。