啐啄の機

目は見えるんですが、見えていないものがあります。

耳は聞こえるんですが、聞こえていないものがあります。

大切なことだからと耳にタコが出来るくらい言ってくれていたはずなのに聞えていないこともあるんですよねえ。

 

禅に「啐啄の機」という言葉があります。

「啐」とは雛が卵の殻を割って外に出たい時の雛の鳴き声です。

「啄」とは親鳥が殻をつつき割る音のことです。

親子のタイミングが合ってはじめて、卵の殻が割れて雛は出てこられます。

このタイミングを間違えると雛は死んでしまいます。

「啐啄同時」とも言いますが、まさにタイミングが大切です。

その気になって聞くと聞えなかったことも聞えてくるかも知れません。

「啐」も「啄」もお互いの想いがあってこそですね。