この1週間は諸事多忙にて稽古もままならない状態です。
稽古したいです。
そんな中、本棚から古い本を取り出して移動時間などに読み返しています。
若いころにはあまり感じるところが無かった「菜根譚」です。
「人よく菜根を咬みえば、即ち百事なすべし」
菜根は堅くて筋が多い。これをかみしめてこそ、ものの真の味わいがわかる。
「老来の疾病は、すべて是れ壮時に招きしものなり。
衰後の罪げつは、すべて是れ盛時になせしものなり。」
まさにそのとおり!耳が痛い。
「経路の狭き処は、一歩を留めて人の行くに与え、滋味の濃やかなるものは、
三分を減じて人の嗜むに譲る。これは是れ世を渉る一の極安楽の法なり。」
まさに情けは人のためならず。
しかし、「菜根譚」は隠居老人の教科書ではありません。
こんなことも言ってます。
「憂勤は是れ美徳なり。
はなはだ苦しめば則ち以って適ひ情をよろこばしむことなし。
淡白は是れ高風なり。
はなはだ枯るれば則ち以って人を救い物を利することなし。」
仕事は美徳。しかしあくせくしすぎると心を楽しませることが出来ない。
しかし、枯れてしまうと世の中の役に立たない!
やはり枯れてはいけません!
齢56歳にしてやっと心に届いた本でした。