今日の日本経済新聞の朝刊にこんなことが書いてありました。
ちょっと長いですが、引用させていただきます。
「弓道に「早気」という言葉がある。弓を引いて十分な間合いをとらず矢を放ってしまうことをいう。仙台藩の弓の指南役を父に持つ若者と母親の話を、東北大の元弓道部長の池沢幹彦名誉教授が「弓聖 阿波研造」という本の中で書いている。若者は遠藤時習。早気がひどく、死別した父の後を継ぐ力がない。母は死をもって亡夫に謝るほかないと決める。わが子に、この母を射ておまえも自害をと説く。時習も覚悟し射場で弓を引き絞る。さすがに早気も影を潜める。まさに矢が弦を放れるかという瞬間、母の声があがった。「よし、その呼吸を忘れるでない!」ー中略ー
池沢氏がその生涯を描いた阿波は、大正、戦前に主に仙台で活躍した弓道家だ。一射一射に全精神を込める「一射絶命」を説いた。旧制二高では「数多く射てどうするぞ、一本でもよいから命がけでやれ」と指導したという。」
居合で「一刀絶命」の稽古はきつそうだなあ。