月が綺麗ですね

夏目漱石が英語教師だったころの話だそうです。
I love youの訳を「我は君を愛す」と訳した生徒に対して、日本人は決してそんなことは言わない「月が綺麗ですね」とでも訳しておけと言ったとか・・・。
昔の日本人は何とも奥ゆかしいことか。

「みなまで言うな、わかっておる」

すべてをあからさまな言葉にしなければ伝わらない現代はかえって不幸かも知れません。どんなに言葉を尽くしても、全てを伝えきれるものではありませんから。言葉の限界を越えるのは、言葉に隠された想像力かも知れません。
お互いを斟酌しあいながら繊細な言葉を交わす。そんな中にこそ情緒が生まれる気がします。

私はよく稽古場で「突きが綺麗ですね」と言ってますが(笑)