本来は竹刀でも木刀でも真剣を使うことを前提とした剣道、剣術でなければなりません。
しかし長い間にその本質から離れてしまった現実があります。
真剣ではあり得ない動きや使い方に疑問を抱いている方は多いのではないでしょうか。
ザックリですが竹刀は400g、木刀は600g、真剣は1000gです。因みに私の差料は1300gです。この重さの違いは大きいです。竹刀や木刀は腕力でも自在に止められるかも知れませんが、真剣は腕力だけではなかなか難しいでしょう。またその方法で止められたとしても長い間に腕や肘を痛めてしまいます。
当然ながらそれぞれの身体の使い方は異なってくるはずです。
さらに大きな違いは形状です。
竹刀は通常の刀よりもかなり長く、直刀かつ円筒状です。木刀は真剣に近い形状をしているとはいえ重ねや刃の繊細さが伝わりせん。
よく時代劇などで刃を合わせるシーンがありますが、あんな使い方をしたら真剣は直ぐに折れてしまうでしょう。
竹刀や木刀による稽古でもそれに近い稽古をしているケースも散見されます。
真剣には反りがありますが、本来はタマゴの殻のようにアーチ形は外側からの力には強く、内側からの力には弱いと言われています。それから考えると峰打ちなどの使い方はありえません。
また真剣には刃が付いています。刃は打ち合えば欠けるはずです。また欠けた刃同士は噛み合うはずです。木刀にはその辺りの真剣の特徴は反映されません。
また真剣は平地からの力にも弱いと言われています。平地で打ち合えばさらに簡単に折れるか曲がってしまうでしょう。
実は真剣を使うには相当な技術がいるのです。
さらには技術だけでなく心の問題もあり、一筋縄ではいきません。
ちなみに模造刀(居合刀)と真剣との違いは稽古で使ったことのある方なら
わかると思いますが、見た目は同じでも全く別物です。