その昔、人生はバランスシートだと語った先輩がおりました。
当時はそんなことはないだろうと思っていましたが、長く生きてくると、そうした面もあるのではと思うようになりました。
ご存知の通りバランスシートは貸借対照表のことです。
バランスシート(balance sheet)という英語はラテン語の「天秤」を語源としているそうです。
これは、貸借対照表が左右に分かれていて、左側の「借方」と右側の「貸方」が釣り合っているからです。
その方は人生も借方と貸方があって釣り合っていると言うのです。
「今日は稽古に出たくないなあ」
好きな稽古でもたまにそう思うことがあります。
今週は仕事が大変だった。
身体の調子が悪かった。
予定が連続した。
稽古に出るのが億劫になる理由はいろいろあります。
まさにバランスシート論に従えば、こんな事柄もプラスとマイナスが必ずあることになります。稽古に出ることのプラスとマイナスを秤にかけます。
もしかしたらマイナスは稽古終わりに感じるスッキリ感は得られないことかも知れませんし、稽古した日の熟睡感を失うことかも知れませんし、静稽会の人に会えないことかも知れません。
いや、もっと深い時間軸が全く違うプラスとマイナスが存在するのでしょう。人生の終わりでプラスとマイナスが釣り合うということですから。
水戸黄門の歌ではないですが、
人生楽ありゃ、苦もあるさ~♪
禍福は糾える縄の如し
辛い事にはマイナスだけでなく必ずプラスがあるはずと信じたいです。