ジョヴァンニ・デッレ・バンデ・ネーレ

武術に真面目に取り組む姿勢を感じる岡田准一さんですが、先日NHKBS「ザ・プロファイラー」という番組でルネサンス期の剣術を取り上げていました。

日本だけでなくイタリアでも時代に応じて戦いのやり方が変わります。
盾の時代から軽く動きやすい鎧が発明されると、剣術も斬りから突きがメインになっていきます。フェンシングの源流です。そんな中、ルネサンスに新しい剣術が生まれますが、今では伝承されていないことから幻の剣術とよばれているそうです。どこかの国でも良く聞く話です。

しかしルネサンス期の活版印刷術の発明のお陰で印刷物にかろうじて残ります。それはフィリピンにカリという武術として伝わったそうです。
このカリという武術にも興味が湧きます。

幻の剣術は短剣と長剣両方を使います。
いわゆる二刀流ですね。番組では岡田准一さんが果敢に挑戦します。彼はジークンドーを本格的に習っているためか、なかなか良い動きをします。

話が逸れました。
さてそんな時代の英雄こそジョヴァンニ・デッレ・バンデ・ネーレです。
彼はイタリアではレオナル・ド・ダヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロなどと同じくらい有名な人物なんだそうです。
彼は生まれてすぐ父が、11歳の時母が亡くなったため、親類のレオ10世のもとで軍人になるための訓練を受けます。その後教皇軍の指揮をとるイタリア戦争では勇敢に戦い、後年「ルネサンス最後の傭兵隊長」と言われたそうです。
レオ10世が亡くなった時、哀悼の意を表して黒い帯を彼の記章に付け加えたため、バンデ・ネーレ(黒バンド、黒帯)という通名で呼ばれるようになります。
それ以降、彼は黒づくめの武装となったため黒隊長とも呼ばれます。ちなみに彼の鎧は黒づくめです。
そんな彼の像が持つ剣には以下の文字が刻まれています。

"理(ことわり)なくして剣を抜かず、徳なくして剣を握らず"

どの国でも同じです。