美術館や博物館などで戦国時代の兜や鎧などを観たことがあるでしょうか?
観た方は分かると思いますが、かなりアバンギャルドなものもあります。
例えば蒲生氏郷の鯰尾兜なんか面白いです。
戦場で「傾く」(かぶく)為なのかどうかわかりませんが、確かにあれは目立ちます。目立ち過ぎです(笑)
さすがに兜や鎧は買えませんが、居合を始めるようになって、自分の刀を持つと刀装具なども多少気になるようになります。
刀装具などには個人の好みがモロに出ます。
柄糸や鞘、鍔など好みを言い出すときりがありませんが、割と気軽に好みを出せるのが鍔、目貫、縁金あたりでしょうか。
あくまで私個人の好みですが、私のは全体を通して地味です。
鞘は黒蠟色塗、柄は白鮫皮、柄糸は黒、鍔は木瓜鍔、透かし鍔はあまり好みではありません。またあまり武を前面に出した意匠は好きではありません。
昔は龍とか虎とかに惹かれましたが、最近では年のせいか植物や動物、和歌、狂言、故事に基づく意匠が好みです。
例えば菖蒲の意匠なんか素敵ですね。菖蒲は端午の節句に軒先に飾って邪気を払う風習があったようで、「尚武」(しょうぶ)にも繋がることから武家に好まれたそうです。なんかその武士の家族への想いが感じられて良いです。
菊は重陽の節句で菊花を浮かべた酒を飲んで長寿を願う花だったりしますし、
桃も邪気を払う花として知られています。古事記の中でイザナギが妻のイザナミに向かって桃を投げて退散させたと書かれています。恐妻家の方なんかには良いかも知れませんね^_^;
竹は冬にも緑を保ち若々しく、節があって逆境にも屈しないという意味があるようです。また桐は昔から家紋などに良く使われる意匠です。ちなみに日本政府は五七桐紋です。
菊では天皇家は十六菊花紋ですし、パスポートの表紙には十六菊花紋が国章として描かれています。
また鯉なんかも良いですね。鯉は龍門の急流を登り切ると龍になるという伝説があって、子弟の立身出世を願う武家に尊ばれた意匠です。
さらにはトンボは勝虫と言われて後ろに下がらない虫として好んで意匠にされてます。(ムカデなんかも同じ理由で意匠にされます)
ちなみに葡萄(ぶどう)と栗鼠(りす)の意匠もよく見かけます。
これにはどんな意味が込められているのでしょうか?
この類の話をしているとキリがないですね。でも楽しい(笑)
答えは次回に。