居合経験のない方と話をしていて真剣納刀についてこんなことを言われました。
「見ないで真剣を鞘に入れられるなんて凄い技ですよね~」
「いやいや慣れれば誰でも出来るようになります。それに実は刀を鞘に入れるのではなくて鞘を刀に差し入れているんです。納刀のやり方は流派によって違いますが・・・」
これを聞いた方は頭の良い方でこの言葉一つで全てを理解したようで、目から鱗だとしきりに感動しておりました。
私も居合を始めたころは納刀は刀を鞘に納めると思っていましたから、なかなか納刀が上手く出来ませんでした。ところがこの発想をした時から劇的に納刀が変わりました。
重い刀の方ではなく、軽い鞘の方を動かすというのは理にかなっています。
これは納刀の逆の抜刀でも同様です。
こうした「逆転の発想」が居合の動きにはいたるところにあります。
私たちは長い間、欧州の文化に染まり続けているうちに、いつの間にか発想や身体操作方法なども日本型から欧州型になってしまっているのかもしれません。
昔の日本人が難なくやっていたことが今の日本人に出来ないことがたくさんあります。それを居合を通じて学びます。