舛添さんが都知事を辞する時に「都知事の地位に恋々とするつもりはない」と言ったのを「都知事の地位に連綿とするつもりはない」と勘違いしたテレビのアナウンサーがおりました。
今日の話はその「連綿」です。
書道の世界で「成家」という師範の上の地位にあるMさんが稽古中こんな事を言いました。
「居合は書に似ている」
私もそう思います。
静稽会の「十文字斬」は正に十文字に斬る形ですが、「十字」ではなく「十文字」となっているのは書をイメージしてのことです。
文字を書くように十文字に斬るということです。
ただ単純に棒を引くのとは違います。
私が中国を訪問した時に目の前で書いていただいた中国書道家の姿を見た時にこれは武術家の動きだと感じました。
後に聞いたところ、その書道家は太極拳の武術家としても大家とのことでした。
話を戻します。
そのMさんが「書でもそうですが、楷書から行書へと進む。その際に大切なのは連綿だ」と。
やっと「連綿」が出てきました。
「連綿」とは続けて文字を書く時の書道技法だそうです。
Mさんは「斬りも筆で書く」感覚と同じだといいます。
十文字斬も一刀目と二刀目は違う斬りではありますが、一つの斬りとして成立させます。それには書の「連綿」こそがヒントになると。
深いお話だと思います。