「落語ディーパー」(NHK)という好きな番組があります。
「超入門!落語THE MOVIE」(NHK)の上級者編です。
落語オタクで俳優の東出昌大さんがメインパーソナリティーをつとめます。
出演落語家は真打の春風亭一之輔。加えて二つ目の柳家わさび、柳亭小痴楽、立川吉笑とそれぞれの一門から一癖も二癖もある方ばかりが集まってます。さらに大学時代に落研だった雨宮萌果アナウンサーも話に加わります。
要は落語の超オタクたちが一つの落語演目を徹底的に楽しくトークする番組です。
この番組を観ていると同じ演目の落語を別の落語家が演じるとどれだけ違うのかが良くわかります。考えてみれば、落語の演目のストーリーはほとんど同じなわけですから、それに落語家が自身の色をつけなければ、落語家の価値はありません。
間や速さ、所作、軽さや重みといった違いが落語の出来映えを左右します。
考えてみれば剣術形、居合形も同じ形を演武しても全く違うものが出来上がります。もちろん上手、下手もありますが、人によっておおらさ、粘っこさ、どっしり感、凄味、威圧感、身軽さ、スピード感、透明感、爽やかさ、不気味さ、妖気などその人の色々なものが滲み出てきます。これは演武した時点の年齢によっても違ってきます。
静稽会は年一回の稽古総見で演武を記録します。
これまで全部出席した方は8回分の記録が残っています。
時々、初回から見比べます。
8年前と自分はどう変わったのか?
それぞれの時に何と向き合っていたのか?
そんな足跡が見えて面白いです。
紆余曲折の足跡です。
そして考えさせられます。