先日、テレビを見ていたところ、ある地方の刀匠が外国人観光客向けに1回3000円で試斬をさせているニュースをやってました。
当然、外国観光客は刀を持つことさえ初めてです。ニュースでは試斬映像も流れておりましたが、実に危ないものでした。
外国の方にも日本刀を知って欲しいという気持ちはよく分かります。
しかしこれはどう見ても危ない行為です。
試斬映像では刀に振り回されているため身体のバランスが取れず、一歩間違えれば自身の脚を切る惨事になりかねない状態でした。
また、当然ですが刀は両手で柄を掴んでいるだけで、何か安全装置が付いているわけではありません。
手を離せば刀はあらゆる方向に飛んでいきます。
以前、某会の試斬映像をYouTubeで見ましたが、その中には刀が後ろに飛んでいく映像がありました。
普段、刀を扱っている人でさえそんなことがあり得るわけです。
(その映像では刃を入れる角度を誤り、畳表に当たって刀が跳ね返された衝撃で手を離してしまっているようでした)
さらに刀の畳表に入る角度を誤ったり、勢い余って地面に叩きつけてしまえば、刀が折れて飛んでくる可能性もあります。
安全は十分確保しているとは思いますが、それでも素人に試斬をやらせるべきではないと思います。
静稽会では試斬会を実施していますが、十分な年月稽古を積んだ上で認められた方しか参加出来ません。刀の扱いはそれだけ難しいのです。