居合においては鞘引きが重要だと言うことは経験者なら誰でも知っています。
ただ慣れてくるとその重要な鞘引きさえ疎かになってきます。
先日、稽古の中である会員の方の鞘引きを見て指導担当のHさんがこう言いました。
「鞘引きは刀を抜くためだけにあるのではありません」
やや言葉は違いましたが、要諦はこう言う意味だったと解釈しています。もちろん鞘引きは刀を抜くためにあるのですが、それだけのために鞘引きをしていると鞘引きは刀が鞘から抜けた瞬間に終わりになります。
Hさんは言います。
「鞘引きで終わりではなく、斬り込む時右手に対して支える左手があります。」
鞘引きだけではありません。
土台が崩れると建物は崩壊します。