静稽会の稽古がお休み中なので、本来稽古しているはずの時間にこの静稽録を書いております。
今日は目釘の話です。
目釘には普通は竹が使われます。私の差料は目釘穴が大きく、なかなか使える竹がなかったことから特別に肉厚の竹を分けて頂き、苦労して削り出した目釘を使っています。竹の目釘は新竹よりも粘りと硬度が出る煤竹が良いと言われています。また目釘の打ち方は皮の方を刃の方に向けて打つ方が良いらしいですが、私はそこまでこだわっているわけではありません。
竹の目釘の他にも金属の目釘もあります。頑丈で良さそうにも思いますが、目釘穴は目釘がある程度の弾力がなければ広がるので振動で目釘が抜けます。金属製の目釘があまりよろしくないのはこの理由によるものです。やはり竹が粘りがあり、目釘穴に密着するので脱落しにくいようです。
その他水牛の角などもあります。
ここまでは私にも知識がありましたが、最近、ある剣術書に書かれているもので、「水目釘」というものがあるということを知りました。
これは多数のナメクジを竹の筒の中に入れて、よく突いて混ぜ合わせるそうです。そうすると固まるので、それを竹から出して天日で乾燥させると石のように固くなり、これを目釘穴に合わせて削って使うそうです。唾を吹き込むと全く抜けなくなると言われています・・・
う〜ん、本当?
私はちょっと遠慮したいなあ。