私の通う病院のエスカレーター横の壁には「医は仁術なり」という書が大きな額に入って飾られています。
「仁」とはなんでしょう。
孔子の論語にたくさん出てきますが、具体的に何であるかは説明されていません。
昔、NHKで「新八犬伝」という人形劇をやってました。八つの珠を持つ八犬士が怨霊や妖怪相手に戦いを繰り広げる物語です。江戸時代の曲亭馬琴の「南総里見八犬伝」が原作だそうですが、夢中で観てました。怨霊の玉梓(たまずさ)が怖かった!
「じ〜んぎ♪れ〜ち♪ちゅうしん♪こうてい♪」
この歌もよく覚えています。
この「仁義礼智忠信孝悌」の中で「仁」は一番最初に出てきます。やっぱり八つの中で一番大事とされているようです。
最近では再放送で「ドラマJIN-仁- レジェンド」をやってました。観るのは二度目ですが、ついつい観ちゃいました。
現代人の医師南方仁が江戸時代にタイムスリップして病気や怪我した人を救います。
しかし、幕末の戦乱の中で倒れていく人を救う一方で、相変わらず争いは止まず、救わなければならない人たちはキリがありません。限りのある医療資材の中で誰をどう救うべきかを悩む場面も出てきます。
アフガニスタンで亡くなった中村哲医師や、今まさにコロナと闘っている現場の医療従事者の方々の「仁」にも繋がります。
「仁」は簡単に説明出来るような概念じゃあなくてまさに人なんだと腹に落ちます。そういえば「仁」は「奇特な御仁(ごじん)だ」などと「人」と言う意味でも使います。