散歩ついでにお寺巡りをしていると、門の前にいろいろな「メッセージ」が書かれていることがあります。
おそらく禅語や仏典からの「メッセージ」なんだと思いますが、先日はこんな「メッセージ」が書いてありました。
「比べて喜ぶ人は比べて泣く人でもある」
おっしゃる通り・・・
でも一体、何と比べているのでしょう?
私の刀には樋がありません。
樋のある刀は振った時に刃音が出ます。これによって正しく刀を振れているかどうかがわかるから樋があった方が良いと言う人もいます。そうかも知れません。
しかしこの刃音が曲者です。正しく振ることが目的の稽古が往々にして刃音を出すことが目的になってしまいがちです。それも誰かさんよりも大きな音を出してやろうなどと思うともう素振りの稽古どころではなくなります。
人はやっぱり比べたがる生き物です。
私も同じです。
だったら樋を無くしてしまえ!という訳です。
まあ実は樋のある刀は研いでいただく時に割高になるというのもあります(笑)
ついでに言えばH形鋼のイメージからか樋が入っている刀の方が強度が高いと思っている方もいる様ですがこれは間違いです。樋のないものと強度は変わらないそうです。ただ軽量化されるというメリットはありますね。
素振りの稽古時に「ゆっくり振りましょう」と言いますが、くれぐれも「比べて喜ぶ(泣く)人」にならないようにご注意を。