日日是好日

ステイホームの中、 樹木希林さんの「日日是好日」という映画を観ました。森下典子さんの「日日是好日-「お茶」が教えてくれた15のしあわせ-」が原作だそうです。

 

作法や所作は細かくて面倒ですが、身体に馴染むと心地よいと感じます。また無駄のない動きは美しい動きでもあります。

 

映画の中で作法を頭で覚えようとする門人に「身体に覚えさせなさい」と指導するシーンがあります。またある動きに対して何故そうするのかを聞く門人に「わからない」と突き放します。師は「考える」ことを排除してまず身体と向き合うことを求めます。

 

するとある時、頭で考えなくても自然と身体が動く瞬間が訪れます。心地よさを感じたその瞬間、初めて心が開きます。

 

季節、水、雨の音、茶碗、掛け軸などを身体いっぱいに感じ、この瞬間が一期一会であることを実感します。

 

そして水の音が「キラキラ」と、お湯の音が「トロトロ」と聞こえる様になる瞬間を迎えて、さらなる境地へと進みます。

 

武術もそうですが、最初はわからなくてもやり続けるとわかることがあります。
聞こえなかったことが心に届くことがあります。

 

たぶんに言葉で説明されても根源的な理解は出来ていない場合が多く、稽古を続けていく中で根の深い部分がジワジワと感じられるようになります。

 

同じように見える稽古も決して同じことをしているわけではありません。毎回違います。稽古は一期一会です。

 

また稽古は時間をかけて身体とともに学ぶことがいかに大切かを教えてくれます。

映画の最初と最後に出てくる題名の「日日是好日」の深い意味がじんわり沁みてきます。