私はKISSの第一世代です。
KISSは世界的なロックバンドです。
KISSが出てきた時は衝撃でした。なにしろあの「歌舞伎」メークとスタイルですから。今でこそ、さほど驚きませんが、あの当時はその音楽とともに大変なインパクトがありました。
そんなKISSを率いるジーン・シモンズさんの母親はナチスの強制収容所ホロコーストの生き残りだそうです。そんな過酷な状況下で生き抜いた母親はいつもこんなことを言っていたと言います。
「日々、命があるだけで良い日なんだ。生きて健康ならばそれだけで勝者なんだ。」
ホロコーストを生き延びた人の重い言葉です。
またジーン・シモンズさんはロック界最強の実業家とも言われています。個人資産は370億円以上。レストランチェーンのオーナーでもあり、ヘルスケア、IT分野にも進出し、経営する企業の中には保険会社もあるとか。
ギターを掻き鳴らしながら数カ国語を操り、国語教師でもあったインテリでもあります。
そんなジーン・シモンズさんももう70歳。ライブで着る衣装は20kgもあり、さすがに疲れたと既に引退を表明しています。
「46年間も同じことをやってきた」
引退のワールドコンサートは途中でコロナにより中止となり、再開の目処は立っていません。
「始めるのは簡単だ。歳を重ねキャリアが長くなれば苦労は増える。人生はもがきの連続だ」
そうです。始めるのは簡単ですが、続けるのは大変なんです。
「バカげているけどゴジラを真似て火を吹き始めたんだ」
結成以来続くコンサートでの「悪魔の儀式 スピリット・ファイヤー」をそんな風に言い切るジーン・シモンズさん。
バカげていると思いながらもやり続けた46年間。
きっと随分と批判もされたんでしょう。
「そんなことやって何の意味があるんだ」
どんなことでも批判する人は必ずいます。
しかし批判するだけなら誰でもできます。