昔、私に柔道を教えてくれた師は技の指導もさることながら受身の指導が徹底しておりました。
試合で負けた時には「受身の取り方がなっとらん!」と受身の追加稽古をイヤと言うほどさせられました。普通なら次に勝つために技の稽古をするはずなんですが、師はどこまでも受身の稽古でした。
師の受身稽古は独特で、しかもものすごく痛かったんです。ちゃんと受身を取らないと息が出来なくなりました。
「受身が上手い人は投げるのも上手い」
今考えれば師なりの指導方法だったんだと思います。
先日、自転車でUターンしたところ、濡れた路面にゴミが散らばっていたため、滑って転びました。まだスポーツバイクというものに慣れていなかったこともあったと思います。
スポーツバイクはハンドルに対してサドルの位置が高いので転び方がママチャリとは全く違います。かなり派手に転びました。転ぶ恐怖を身体で知ったわけです。
しかし倒れた瞬間に身体が自然と受身を取ってました。恐ろしいものであんな昔に指導を受けた受身が咄嗟に出ました。
お陰で手足にかすり傷を負っただけで、骨折などの大怪我をしないで済みました。
今さらですが師に感謝です。
そう言えば、スキーの先生にも転び方が大切だと念入りに教えてもらったことを思い出しました。
人生すべからく転ぶ(受身)稽古をしておかないといつかは大怪我をすると言うことです。