暑さも和らぎ、随分と過ごしやすくなってきました。相変わらず普段の体力トレーニングを兼ねて自転車で走ってます。
先日、久しぶりにロングライドした時に終盤で気がつくと肩に力が入っていました。
スポーツ自転車の本を読むと共通して、「肩の力を抜きなさい」とあります。
しかしこの「肩を力を抜く」のはなかなか難しいのです。
自転車でロングライドしたことがある方は分かると思いますが、だんだんと路面の小さな振動が車輪から腕を伝わって肩、全身に来ます。
この振動が曲者で疲れを倍増させます。
そのために高い自転車ほどこの振動を抑えるための材質を使っている訳です。
例えばカーボンとか。しかもカーボンは軽い!でも高い!私のはアルミ。アルミは安くて軽いですが、振動は伝わりやすいのです。
この振動をなるべく身体に伝えないためにも肩の力を抜かなければなりません。しかし疲れてくるとどうしても肩に力が入ってきます。肩が上がります。
では肩の力を抜くにはどうしたら良いか?
この「肩の力を抜きなさい」は居合、剣術でもよく言われます。やはり肩に力が入っていると肩が上がります。
これを防ぐために「肩の力を抜きなさい」と言うのですが、そんな簡単に力が抜けるわけはありません。だって本人は力を入れようと思って入れてるわけではないのですから。
そのために「胸を落としなさい」などと言う人もいます。確かに胸を落とすと肩は下がります。しかし、それでも肩の力が抜けない人もいます。
実は宮本武蔵は五輪書の「水之巻」第二節の「兵法の身なりの事」(要は構えのことです)の中でこんなことを言ってます。
「首は後ろの筋を直に、うなじに力を入て、肩より惣身はひとしく覚え、両の肩をさげ」
宮本武蔵は肩を下げる前に首の後ろの筋を真っ直ぐにして、うなじに力を入れよと言ってます。
首の後ろを真っ直ぐにしてうなじに力を入れると首が伸びます。
首が伸びるとどうなるでしょうか?
どうでしょう。自然と肩は下がりませんか?
実は五輪書では続けて「脊筋をろくに」とあります。これは背筋をピンとさせるという事です。居合、剣術ではよく頭頂から紐で吊るされたようにと表現しますが、まさにそれに近くなると思います。
肩の力がなかなか抜けない方はこれをやってみてはいかがでしょう。
もちろん肩に力が入る要因は一つではありませんので、それだけで解決するとは限りませんが。
因みに自転車の場合、この方法は私の師事している理論ではうまくいきます。