静稽会には「捨身」という形があります。
自分の全てを敵の前に投げ出して活路を開く形です。
捨身とは天より瀧の落つること
瀧直下三千丈
単に身を捨てる動きだけではこの形は完成しません。
まさに瀧が天から落ちるように無心になることが必要です。
中途半端に身体を捨てる動きだけを真似ても「無様」に終わるだけです。
しかしこの無心が難しいのです。
よく坐禅などで無心になりなさいと言われます。なかなか出来ません。
平時でさえそんな感じですから。戦時は尚更でしょう。
戦いの中では迷いや恐怖、心残りなどが心を支配する時があるはずです。
急にそれを無くして身を捨てろと言われても難しいはずです。
だからこそ普段からの心の稽古や鍛錬が必要になってくるのだと思っています。
進退極まれば退くべからず
退くに利あらず
臆して引かば打たれ
火中に飛び込むとも
進めば本望をとぐ
捨身は覚悟が決まらないと完成しない形とも言えます。
コロナ禍中にこそ自身の覚悟を問うてみてはいかがでしょう。