先日、静稽会の「雲耀」という居合形を稽古していた時に一体、どこをどう斬るのか?という話になりました。ややグロイ話になりますが、あくまでも形の話ですので悪しからず。
「雲耀」は敵の攻撃を受け流し、返す刀で頸動脈を斬る形です。形の動きから、ともすると鋭角な「袈裟斬り」になりがちです。
しかしその「袈裟斬り」で頸動脈を斬るという本来の目的は遂げられるのか?が問題でした。
頸動脈は身体のどこをどう通っているのか・・・?
首あたりだということは分かっていても、もしかするとそこ止まりとなってないか?
稽古ではそんな話をしました。
実は頸動脈は首の正面のやや両内側を通っています。喉仏の高さの横よりやや外側、筋肉(胸鎖乳突筋)より内側で柔らかいところを強く押すと血管の拍動を感じると思います。このあたりが頸動脈です。
いわゆる「袈裟斬り」では刃筋の角度的に確実に斬れるかどうか微妙なところですよね。鎖骨が邪魔したりするような感じもします。
「雲耀」で頸動脈を切ろうと思えば、刀を袈裟斬りよりもやや寝かせて首前を撫で斬りする方が確実です。その前段階として受け流す時の手首の角度も重要になってきます。
さらに頸動脈は首のやや奥にありますので、切先で抉るように斬ることが出来ればベストで、力はいらないはずです。
どこの何を斬っているのかを明確にすると形の意味が深くなって、動きも変わってきます。