武術のこと

命が危うくなった時にはどうするか?

第一義的にはまずは危険を避けること、次に危険から遠ざかることが「武術」の大事と考えます。しかしどうしても避けられない場合、逃げられない場合があります。その時には覚悟を持って立ち向かわなければなりません。

 

以前もこの静稽録に書きましたが、「武術」が立ち向かう敵はスポーツ格闘技のように人間一人とは限りません。武器を持った敵、しかも複数の敵と戦うことも想定されます。敵の武器は刃物とは限りません。もしかしたら拳銃を隠し持っているかも知れません。

 

また必ずしも敵は人ばかりとは限りません。動物の場合もあれば、ウィルス、病原菌、自然災害もあります。私は命を脅かすあらゆるものに対処するのが「武術」だと考えています。

 

今、まさに地球温暖化などによる豪雨、洪水、氾濫、土砂崩れ等によって、また新型コロナウィルスによって人命が危険に晒されています。「武術」はどんな場合でも生き残る答えを持たなければなりません。

 

どうしたら自身や人の命を守れるのか?

命の危険な状況下では使えるものはどんなものでも「武器」として使います。

今は戦時だと言う人がいます。本当に戦時だとすれば平時の対処だけでは命を守れません。

 

「敵を知ること、己を知ること肝要なり」

変な自信は命取りになります。

 

常に用心し、身体を鍛え、知識を蓄え、考え、感じ、「武器」を備え、いざという時にはあらゆる手段を駆使して対処することが必要です。

 

武術を学ぶ人はそうあるべきだと思っています。

そして普段からいざという時の覚悟を養うのも武術であると思うのです。