卒業式の季節になりました。
袴姿の女子大生の姿をよく見かけます。
どうして卒業式だけ袴なのかについては特にここでコメントはしませんが、あの女袴が好きか?と聞かれると答えに困るかもしれません。
稽古で履く袴こそがこの世で一番美しいと思っている私です。ご容赦下さい。
さて彼女たちの袴をよく見てみました。どうも私たちが稽古の時に履く袴とはその形状が大きく異なっているようです。
まず腰板がありません。
腰板があるとビシッ!とするんですけどねえ。
しかし考えてみれば女性は帯を胸の下で結んでいますので、腰板をつけるのは難しいかもしれませんね。当然、袴紐も随分と高い位置になっています。
さらにはハイヒールブーツ?を履いていました。かの坂本龍馬も袴にブーツを履いていたそうですから、女性による日本の夜明けを体現しているのかもしれません。
前ヒダの数は稽古袴と同じ五つでした。
五つのヒダは「五倫五常」の教えなどとも言われます・・・
前にも書きましたが、袴のヒダの数が左右違うことを知っている人は意外に少ないです。
稽古袴のヒダは左が三つ、右が二つです。
私は陰陽から来ていると教わりました。人が南向きに立つ(天子南面)と左は東で太陽が昇る方角です。よって陽、逆は西で太陽が沈む方角で陰になります。数字で言うと奇数が陽で偶数が陰ですから、袴の襞の数は左が陽の奇数、右が陰の偶数だと。そして後ろは二心ないことを示すためにヒダは一つなんだぞと・・・
少なくとも私はそのように教わりました。う〜ん、でもこれも後付けのような気がします。
教えてくれた方には申し訳ありませんが、私は合理的、機能的かつ美的な理由なんだと思っています。
女袴に話を戻します。
女子大生たちの女袴の後ろにはなんと襞が三つもありました!
やはり女性は男性のように単純ではないと言うことか?
それとも一筋縄ではいかないということか?
まあ聞いたところではいろんな種類の袴があるそうで一概には言えないとのことです。こちらも女性の特性を考えて合理的、機能的かつ美的な理由からそのように作られているのだと思います。
いずれにしてもあまりジロジロ見ていると胡乱(うろん)なヤツと怪しまれますので、やめておいた方が良さそうです(笑)