静稽会ではいろんな稽古をします。
私は特に「感じる稽古」を大切にしています。
ある動きの感覚が最大限感じられるように動きの設定をミニマムにして稽古したりします。そんな新しい感覚を捉えた時が稽古の面白さでもあります。
しかしあくまでその稽古は感覚を掴んでもらうための稽古だったりします。
体全体を武術的に使うためには、そんな稽古の時の一部の感覚に引きずられると間違えてしまうことがあります。
呼吸なども同じなのかもしれません。呼吸をあまり意識しすぎると、かえって上手くいかないことがあります。
「腹式呼吸」などと言われて「腹」ばかり意識すると変な呼吸になってしまいます(笑)
稽古で感覚を掴んだ後はその感覚から一旦そお〜っと離れます。離れたところからその感覚とつながります。
この感覚を説明するのは難しいのですが、武蔵が五輪書の中でこんなことを言ってます。
「遠き所を近く見、近き所を遠く見ること、兵法の専なり」
これはいわゆる目付けのことを言っているのですが、その時の感覚が似ているのではないかと感じたりします。
一つの稽古だけにとらわれてはいけません。