先日、テレビで筆ペンをきれいに書くコツというのをやってました。
まず最初にやることは紙を自分の正面に置くのではなく利き腕の前に置くことなんだそうです。
私の記憶では習字は紙を正面に置いて書きなさいと教わったはずでしたが・・・
正面に置いた場合には書き進むと段々と字が見えにくくなる・・・確かに右手が邪魔して文字全体が見えにくくなります。
上手く書くには常に字がよく見えるようにするのは当たり前のこと・・・なるほど!
もちろん毛筆、硬筆、筆ペンなどによって違うのかもしれません。
その辺りに詳しい方から教えてもらうつもりでしたが、今日は稽古に来られなかったので、後日聞いてみたいと思います。
それにしてもこの右側感覚は何かに似ています。
頭に浮かんだのは柳生新陰流「極意の線」です。
大まかに言えば体の中心を真っ直ぐ斬らずに右膝通りの線を斬る太刀筋のことです。
初めてこの太刀筋を経験した時には斬新な太刀筋だなと感じました。
これまでの「風景」が捻じれて見えた気がしました。
もしかしたら剣道経験者などは邪剣のように感じるかもしれません。
柳生新陰流には「斬釘の打ち」や「くねり打ち」など左拳を中心から外す太刀筋があります。
竹刀ではなく刀を使った実戦ではこうした斬りもあると直感的に感じました。
実戦では必要に応じた柔軟さは重要です。
この太刀筋を知った後の稽古は随分と変わったのではないかと思っています。
もしかしたら書にも「極意の線」ようなものがあるかもしれません。
もちろん書と剣の理合は違います。しかし共通することも結構あるのではないかと思ったりします。
以前にも書きましたが、「十文字斬り」はなぜ「文字」なのか?
また私は刀を使う時、感覚的には毛筆で字を書くように斬るものだと思っています。
書には楷書、行書、草書、隷書、篆書があるそうです。
また漢字だけではなくかな文字という領域もあって、剣にも近い感覚があるような気がします。