以前に「うつ九段」というドラマを観たことがあります。
将棋棋士の先崎学九段がうつ病になってから復帰するまでの実話をドラマ化したものです。
主役の先崎学役は安田顕さんが、妻役は内田有紀さんが演じていました。
うつは軽く考えると大変なことになります。周りの理解が必要です。ドラマでは本人だけでなく周りの苦悩もしっかり描かれていました。
そんなドラマの中で将棋の「美しい手」という言葉が良く出てきます。
将棋は勝つだけではなく、美しい手があるらしい・・
そう言えば、一緒にワインを飲みに行く東京工業大学数学科出身の友人は酔うとよくこんなことを言います。
「数学には美しい解き方がある」
「美しい数式がある」
へえ〜そんなところにも美しさがあるのか!
数学、いや算数の苦手な私には全くわかりません・・・
ただ勝つことや解くことは当たり前で、その上でさらに美しさを求めるという感覚はなんとなく理解出来ます。
命をかけた戦いだからこそ美しさが必要だという武者たちの感覚に通じるものがあるのかもしれません。戦国時代の武者たちが鎧兜や衣装に気を遣い、兜にさえ香を焚きしめたというのはそんな証なのではないかと思われます。
生きるか死ぬかの戦いの中で「名こそ惜しむ」武者たちは「いかに死ぬか」に重きを置いた訳で、勝つこと以上に戦いに美しさを求めたのかもしれません。
やはり美しさには相当な価値があるようです。
ちなみに数学科出身の彼は待ち合わせの場所を伝えるのに目印の建物などがない時には太陽の位置を使って説明してきます(笑)
サバイバルな時代には意外とこんな人が最後まで生き残るのかもしれません。