日経新聞朝刊にこんな記事が出ていました。
子門真人「およげ!たい焼きくん」21秒
YOASOBI「夜に駆ける」0秒
何のタイムでしょう?
昔と今のイントロの長さ比較です。
最近は聴き放題のサブスクの普及で好みの曲を次々再生するためイントロが待ちきれずにスキップしながら好きなところだけ聴くんだそうです。その結果がイントロ短縮もしくはイントロがゼロになっていくそうで、海外では曲自体すら短くなっているとか。
ドラマも1.25倍速で観るのが標準になっています。ドラマの間とか情景描写は「無駄な時間」と捉えられてしまうようです。
現代は何よりタイパ(タイムパフォーマンスの略。言葉すら短縮です)が大事にされる時代らしいです。
でも時間を有効に使いたいと追い立てられて得られるものは果たしてどんなものなのでしょうか?
これまで何度も書きましたが、
「私はダンサーになりたかった」
これは今や私の鉄板ネタです(笑)
いえ、本当のことです。
まあダンサーと言っても私がなりたかったのは暗黒舞踏ダンサーです。
最近はダンスも高速ダンスが主流なのか、ダンサーたちはものすごいスピードで体を動かします。
芋虫やナメクジようにゆっくりと動く不気味な暗黒舞踏は見た目よりもはるかにハードです。
そしてゆっくり動くとはどういうことかを教えてくれます。
どうしても慣れない動きを稽古する時には速く動いて誤魔化してしまいがちです。
誤魔化されるのは自分自身です。
昔、私もよく言ってました。
「もう少し速くやれば出来るんだけどなぁ・・・」
いや、ハッキリ言ってそれは出来ていません。
本物の速さで動くことが出来るのなら、ゆっくりでも出来るはずなんです。
しっかり原理原則を通して使うべきところを使えば、ゆっくりでも出来るはずです。またそれを確認するためにもゆっくり動きます。
一体何が足りないのか?を深く考える稽古が続きます。
最近の静稽会は「ゆっくり動く」ことをテーマに稽古しています。
「スローなブシにしてくれ!」