名前には込められた思いがあります。
おそらく私の名前も両親や祖父母が思いを込めてつけてくれたのだと思います。
残念ながら私は名前のようにはなれませんでした・・・(笑)
もしかしたらこういう人は意外と多いかも知れません。
会社の名前などもそこに込められた思いがあります。
会社名や創業者、設立年月日などから会社が辿ってきた道のりを想像したりするのも好きです。
例えば戦前の国策会社であった「日本製鐵」が戦後の財閥解体で「八幡製鐵」と「富士製鐵」となり、その後に両社が合併して出来た会社が「新日本製鐵」です。さらに住友金属工業と経営統合して「新日鐵住金」になりました。そして今は「日本製鉄」に名前が変わってます。
元に戻った?
いえいえ読み方と漢字が違います。
戦前は日本製鐵(にほんせいてつ)。今は日本製鉄(にっぽんせいてつ)です。
「日本製鉄」のように時代に合わせて名前が変わる会社もあればずっと変わらない会社もあります。
どちらも名前に託す思いはそれぞれです。
翡縁会さんはHPに会の名前の由来を載せています。
「いにしえより赤い羽毛の鳥(カワセミ)を翡と呼ぶと聞きました。会名は、赤羽の地に縁あって集い、稽古をさせていただくようになったことに由ります。」
ご縁を大切にされる多々良先生らしい会の名前です。
さあ静稽会ですが、その名の通り「静かに」「稽古する」会です。
当時は稽古以外のことに心を囚われたくないとの思いもありました。
また「稽」は「稽(かんが)える」とも読みます。
「稽える」は物事を突き詰めて考え合わすことです。
そして「稽古」は古(いにしえ)を稽(かんが)えるになります。
藤沢周氏の小説「武蔵無常」はこんな最後で終わっています。
「静かとは、また、十方世界のすべてがたえず生まれていることの謂(いい)でもある」
これいいなあ〜
これからも静稽会の名前は変わらないですが、「たえず生まれている」会でありたいと思うのであります。