ひかがみ

ひざの裏側のことを「ひかがみ」と言います。

漢字では「膕」と書きます。

 

私は漢字検定1級を持っていますが書けませんでした・・・

調べてみるとどうも漢字検定対象外の漢字らしいと知って少しホッとしました。

一体、どんな基準なんだ(笑)

 

武術の稽古をしていると体の裏側を意識したり、動かしたりすることが多いと感じます。

例えば首の後ろだったり、肩甲骨だったり、ハムストリングだったり、「ひかがみ」もよく使います。

 

薩摩の剣を使うHKさんは「気配は両耳の後ろあたりでとらえる」と言っていました。この話を聞いた時はセンサーが前ではなく裏側にあるということに驚きましたが、考えてみれば人間の前側にはすでに別のセンサーがありますので気配は裏側でとらえるというのも頷けます。

 

さらに声を生業にしているHJさんは腹式呼吸についてこんなことを言います。

 

「腹式呼吸はむしろ背中側が膨れる」

 

腹式呼吸が腹に空気を入れることだと勘違いしている人は結構います。

腹式呼吸の仕組みを考えるとHJさんの言葉に納得します。

 

また歌のうまさで定評のある玉置浩二さんもこんなことを言ってます。

 

「音は背中で響かせる」

 

確かにHJさんの声は遠くにいても四方から包み込まれるような声の届き方がします。

 

さらに仏様や神様から発せられる光明を表現する「光背」もその名の通り背中側から出ています。

 

裏側を意識してもっと使いこなすことが出来れば、さらに稽古が楽しくなるかもしれません。

 

昔、ある知り合いの年配男性がこんなことを言っていました。

 

「私は女性の膝の裏側が最も美しいと感じます」

 

その方はその時すでに達人の域に入っていたのかもしれません。