大刀剣市が3年ぶりに開催されました。
それまでは良く顔を出していた大刀剣市でしたが、コロナで開催されなくなってから3年。その存在すら失念してました。
今年はあることがキッカケで導かれるように行ってまいりました。
予想通り外国人の方が多かったです。やはり円安はこんなところにも影響を及ぼしているのかと考えつつ、今回は主に刀装具をメインに探索してみました。
単眼鏡や拡大鏡も持参して準備万端です。
2100円の入館料を支払ってしっかりと楽しんでまいりました。
やはりいいなあと感じるものは鉄自体に色気があります。
なんとも言えないツヤ(艶)とネットリ感。
これは見るだけでなく触ってみないと分からないんです。
博物館や美術館では絶対に出来ないこと。
絵画などとは違って触ってこそわかる「芸術」。
陶磁器などもそうかも知れません。最近、陶芸を始めてそう感じるようになりました。
日常生活の中で使われることを前提とした陶磁器は使う人の手に馴染む大きさにしたり、指や口が触れる部分に工夫を施したりと心地よい触感を考えて作ります。
良い刀装具も触ると手に心地よさが伝わってきます。
刀も同じでやはり良い刀は茎(なかご)を触ってみるとなんともいい感じがします。
今回は私の購買心を奮い立たせるものはありませんでしたが、眼福なるものはたくさんありました。
そしてそんな「芸術」たちに触れて「手福」にも満たされました。
また我が家の家宝刀を作ってくれた川崎晶平刀匠にも久しぶりにお会いしてご挨拶することが出来ました。
その刀に触れると亡父を思い出します。
刀が出来上がった時に父と一緒に「晶平鍛刀道場」に受け取りに行きました。
父も触れた茎に触れるとその時の情景が浮かんで来ます。
受け取ったばかりの拵えのない刀をその場で振ろうとした父を慌てて止めた懐かしい思い出です。
モノには魂が宿ると言われますが、何となく分かるような気がします。