「良い試合は良い対戦相手がいて成立する」
WBC準決勝の日本対メキシコ戦は確かにそんな言葉がピッタリでした。
メキシコの監督が「野球が今夜の勝利者だ」と言ったそうです。
なかなかうまいことをいいます。
そう言えば翡縁会の多々良先生はこんなことを言ってました。
「自分も道具も大切に扱うことの出来ない人は稽古相手も大切に出来ない。そういう人は稽古相手もいなくなる。稽古相手がいるということはありがたいことだ」
これは「道具には神が宿る」という日本の伝統的な考え方や単に武術的に「気」を行き渡らせるというだけではないと思っています。
内観を通じて指の先にまで行き渡った「心」がさらに伸びて道具に伝わります。
「神経」や「気」という言葉ではなくやっぱり私的には「心」の方がしっくりきます。
本来無機質な道具に「心」が宿り自分自身となって稽古相手の道具に触れます。
無機質な道具同士のぶつかり合いではただの殺し合いの稽古になってしまいます。
道具に「心」を届かせて相手と触れ合うことが大切なんだと教えていただきました。
道具を単なる武器として捉えては楽しい稽古は出来ません。
いつも道具を介して相手と触れ合っているいう思いが大切です。
そんな思いがないと稽古相手もいなくなってしまうのだと。
「心」の通わない稽古は楽しくありません。
静稽会の稽古はどこまでも静かで楽しい稽古でありたいと思うのであります。
稽古が出来る環境があって、稽古相手がいてくれるというのは当たり前のことではなくて、特別なことなんだとしみじみ感じます。
WBCはメキシコに続いてアメリカとの名勝負を制した日本が優勝しました!
おめでとうございます!
選手たちも楽しかったはずです。
そして私たちも楽しませていただきました。
ありがとうございました!