捻ったっていい?

新しい方々が入られると時々新鮮で根源的な質問を受けます。

先日、稽古中にこんな質問を受けました。

 

「なぜ体を捻ってはいけないのか?」

 

「捻ったっていいじゃあないか。人間だもの」と言いたいところですが、そもそも現代の私たちの「捻る」体の使い方は一体、どこで習ったものなのか?

どこから来たものなのか?を考えてみる必要があります。

 

そして昔の日本人の体の使い方はどんなものだったのか?

今と何が違うのか?

なぜそれを「習う」のか?

自身は居合に何を求めているのか?

 

自問自答しながら稽古を続けると見えてくるものがあると思います。

 

体の使い方はそれ単体で存在するということはありません。その裏側には服装や所作といった文化や美学があり日常生活があります。

 

例えば襖の開け方一つとっても、体を捻らない動きの中に日本的な静かな美しさがあります。

 

座り方や立ち方さえ椅子の生活と座敷の生活では違ってきます。

モップ掛けと雑巾掛けでも体の使い方は違います。

 

「ビーバップハイスクール」時代のヤンキーたちはコンビニ前で和式トイレ座りをしながらタバコをふかしていました。しかし今、「東京リベンジャーズ」のヤンキーたちはそれが出来ません。後ろに転がってしまうからです。今の人は足首が固くなっているからだと言われますが、和式トイレが少なくなっていった時期と重なります。

 

たかだか数十年で体の使い方は大きく変わってしまいます。

ましてや現代と江戸時代、さらには戦国時代や鎌倉時代のそれとは全く違うはずです。

そんな昔の人たちの体の使い方はどうだったのか?

 

凛とした佇まいや立ち居振る舞いはどうしたら身につくのか?

それは居合の中に見出せないのか?

 

「なぜ体を捻ってはいけないのか?」

 

ただ単にスポーツ合理性だけを考えていては答えは出てこないと思います。