ロシアは昔はソ連と言いました。正式にはソビエト社会主義共和国連邦。
配給に並ぶ人々、暗く抑圧された国というイメージでした。
そんなソ連時代に伝説のロシア人ロック歌手がいました。
Кино(キノー)というバンドのボーカル、ヴィクトル・ツォイです。
最近、ハマってます。
キノーには「Перемен」(ペリェミェン)という曲があります。
日本語にすると「変化」
単調なリズムに低音の渋い声でツォイが歌います。
聞き慣れない言語のせいなのか、あまり区切りの良くない単語がロックのリズムに乗り切れない感じもしますが、そんなことを飛び越えて中心軸に響いてきます。
ソ連時代の灰色の街並み・・・さらにその暗い地下で歌うツォイ、彼は静かに歌います。
カレンダーのマス目から一日が引っこ抜かれていく♪
変化♪
俺たちの心臓が求めている♪
変化♪
俺たちの眼が求めている♪
俺たちの笑いと涙と♪
血管と脈拍の中に♪
変化♪
俺たちは変化を待っている♪
抑圧された時代が長く続いて、閉塞感に耐えきれずに発した叫びです。
当時のソ連はペレストロイカが始まったばかりで、まだ文化的な解放には至っていませんでした。当然こうした曲は当局の取り締まりの対象になっていたはずです。
自由な時代や国に生きている人たちには当時の張り詰めた空気感は伝わらないかも知れません。
伝説のロック歌手ツォイは28歳の若さで亡くなってます。
この歌詞をなんの前知識も持たず、素直に聴くとまた違う思いが去来します。
「So this is X'mas and what have you done?」
(今日はクリスマス 何をした一年だった?)
こんな風に始まるジョン・レノン&オノ・ヨーコの「Happy X'mas (War is over)」ですが、
「what have you done?」
もう若くもない自分に問われている気がします。
そう言えばジョン・レノンも40歳の若さで亡くなりました。