私はこれまで「武士はストレッチはやらない!」と言って稽古前のストレッチはやりませんでした。
たまに稽古に向かう「気持ちの準備運動」程度で決まった居合形を5〜6本抜いたり、膝行膝退などをやったりやらなかったり・・・
ズボラな性格もありますが、武士がいざ戦う段になって、敵に向かって「ストレッチするのでちょっと待って!」とは言わないはずだと言い張っていました(笑)
加えて私たちが求めている体の使い方はいわゆるスポーツの筋肉の使い方とは違うという思いもあります。
最近、ストレッチにも大きく2つあることを知りました。
「静的(スタティック)ストレッチ」
「動的(ダイナミック)ストレッチ」
ある研究によれば運動前に「静的ストレッチ」を行うとパフォーマンスが低下する結果があるそうです。
「おっ!図らずも私の正しさが証明されたか?」
しかしこれには但し書きがありました。それは「長時間(30秒以上)行った場合」だそうです。
その原因は神経系のメカニズムにあると言われています。筋肉に「伸ばされている」との情報を送り続けると、筋肉はリラックスモードに切り替わり、抑制系の刺激を引き起こしてしまうからだそうです。
実は私は火曜日の稽古直前にヨガの予定を入れています。
このスケジュールは私がヨガの先生にこだわるので曜日が変えられないのです(泣)
そんな訳でみっちりとヨガをやった後で刀を振ることになり、なんとも言えない違和感がありました。
「そうか〜これが原因だったか!」
ヨガはまさに静的ストレッチに近く、それも1時間もみっちりやってた訳ですから違和感を感じるのは当たり前です。
ただ「静的ストレッチ」に対して「動的ストレッチ」は、特に瞬発力が求められるものにパフォーマンスを向上させる研究結果があるそうです。
しかしこれも私たちの稽古はスポーツのそれとは筋肉の使い方が違うため当てはまるかどうかはわかりませんが・・・
年齢的な問題や静稽会稽古の体の使い方に慣れていない初心者の方への対応(初心者の方はどうしても無理な筋肉の使い方をしてしまいがち)もあって「武士のストレッチ」は悩ましい問題です。