静稽会は2023年10月22日(日)に第12回稽古総見を開催します。
毎回毎回言っていることですが、稽古総見はいわゆる一般的な演武会とは違います。
人に見せることが目的ではなく、どこまでも今の自分と向き合うための「稽古」です。
体調不良、稽古不足、技量不足などなどそれぞれ個々の事情はあろうかと思います。
しかしそんなことは一切関係ありません。
稽古したことを今のままの状態で全力で出すというのが稽古総見です。そしてそれをそのまま各自が静かに受け入るということです。
そんな姿をカメラで記録動画を撮ります。それを後日、それぞれにお渡しします。
現在、私の元には11回分の記録があります(コロナ禍で1回は実施出来ませんでした)。参加された方々にも参加した分の記録があるはずです。
果たして○年前の自分はどうだったのか?
何がどう変わったのか?
この一年何を試行錯誤したのか?
それはどういう変遷を辿って今ここに至ったのか?
自分を振り返る絶好の機会です。
他団体も含めた経験者たちの目前での披露はとても緊張します。
冷静に出来たか?
それとも緊張して体が思うように動かなかったか?
頭が真っ白になってしまったか?
そんな非日常さえ楽しめたか?
普段、平常心を鍛える稽古はなかなか出来ません。この機会に今の自身の平常心がどの程度のものか?を知るにも良い機会です。
昔の武術の試合は命のやり取りでした。もしかしたらそんなことがある日突然訪れたかもしれません。
そんな究極の状況に比べれば、稽古総見など取るに足りない状況です。しかしその稽古総見でさえ普段の稽古通りに出来ないとすればその技は本物ではないということです。
厳しい言い方をすれば、武術ではいくら普段の稽古で上手く出来たとしても、いざという時に稽古通りの技が発揮されなければ、出来ないのと同じとも言えます。
だからこそ「不断」の稽古で技を磨くとともに稽古総見という非日常でも最高のパフォーマンスが出せるよう平常心を鍛えなければなりません。
また他団体の方の技を目の前でじっくり観ることの出来る数少ないチャンスです。自分たちの外にはこんな世界があるんだ〜と知るだけでも観る価値があります。そんな驚きがその後の稽古のパワーになります。
2023年10月22日の稽古総見はワンチャンスです。一期一会です。上手、下手もありません。やり直しもありません。だからこそ面白いのだと思うのです。
そんな稽古総見を楽しんだ後は懇親会で驚きを与えてくれた方と交流しましょう!
美味しいお酒を飲みましょう!