大リーグボール1号封じ

もう「巨人の星」を知る人たちも少なくなってきました。

私は子供の頃、毎週テレビで観てました。

 

おそらく今では「不適切にもほどがある」場面がたくさん出てきて放映は不可能かもしれません。

 

そんな「巨人の星」の主人公星飛雄馬の魔球

「大リーグボール1号」

構えているバッターのバットにボールを当てて凡打にして打ち取るという画期的な「魔球」でした。

 

大リーグホール1号完成までは苦難の道です。

まずなぜか座禅を組みます。しかし心の迷いから警策で打たれてばかりの星飛雄馬。

和尚は言います。

 

「打たれまいと凝り固まった姿勢ほど脆いものはない。打たれて結構、いや、もう一歩進んで、打ってもらおう」

 

このセリフよく覚えています(笑)

この言葉が魔球のヒントになります。

 

そして拳銃の射撃見学、ボクシング、剣道を体験することで全体像が見えてきます。

 

星飛雄馬はバットにボールを当てるためにバッターの細やかな予備動作を察知して先の動きを予測します。

百発百中!

あくまでもアニメの中の話です。

 

星飛雄馬は武術で言うところの「起こり」(予備動作)を察知して動きを先回りします。

 

しかしそんな苦労して完成させた大リーグボール1号も強敵オズマの前にあっけなく敗れます。

オズマの大リーグボール1号封じはとても簡単なものでした。ボールが飛んできたら構えたままの姿勢でただバットを落とすだけ。これは衝撃的でした。

 

バットを落とす動作は簡単で「起こり」が分かりにくく、ボールはバットに当たらないという結果になります。そして星飛雄馬が投げる球はフォアボールになってオズマは一塁へ・・・

 

一般的に力を入れる動作よりも力を抜く動作は察知されにくいと言われます。

 

もし敵の動きが読める「大リーグボール1号剣士」星飛雄馬と戦ったら・・・普通だったら勝てません。

 

でもオズマのように「起こり」を消して動くことができたら「大リーグボール1号剣士」星飛雄馬にも勝てるかもしれません。

 

そんな訳で武術は動きを察知される「起こり」を嫌います。「起こり」を見せない動きを稽古をします。

 

オズマの「大リーグボール1号封じ」のような稽古・・・?

 

いえいえ絶対に刀は落としませんよ(笑)

 

日常的に染み付いた動きはなかなか消すことは出来ません。

ついやりがちな予備動作を消すために刀の握りや振りかぶりなどには神経を使います。

蹴らずに歩く稽古、さらにはバットではなく自分自身を落とす稽古とか・・・

普通のスポーツではやらないような動きを稽古します。

 

実は大リーグボール1号の攻防はその後も続きます。

星飛雄馬は落ちるバットにボールを当てる・・・今度はオズマがバットを投げる・・・そしてオズマの速すぎて消えるスイングへ・・・

 

どこまでもアニメの話です・・・(笑)