宇多田ヒカルさんの歌作りはメロディが100%先なんだそうです。
作詞は音に言葉を乗せていく過程で子音から言葉を捻り出すそうです。
子音からだと毛筆の文字のような末尾が変幻自在なイメージなんだとか・・・
才能のない私には全くわかりません。
メロディが先なので子音から導かれる音に乗せる言葉の文字数には「制約」があります。
しかしその「制約」がある状態の方が作りやすいそうで、彼女はそのことを短歌の様だとも表現しています。
母親の藤圭子さんから天才の遺伝子をしっかり引き継いでいる宇多田ヒカルさんですが、歌作りは意外にも職人のやり方なんだと感じました。
音楽のことはわからなくても「制約」があった方が何かを生み出しやすいというのは凡夫の私でもなんとなくわかります。
よく天才はいきなりインスピレーションが「天から降りてくる」なんて言いますが、彼女は「制約」の中で何度も繰り返していくうちに「これしかない」という状態になってくる制作過程を踏むそうです。
本当に自由になるためには一旦不自由に身を置くことが必要なんだと、2023年4月29日付けの静稽録「自由になるための不自由」にも書きました。
もしかしたら宇多田ヒカルさんの歌の作り方は武術稽古とも共通しているのかもしれません。
長く稽古を続けているとここしかないという「通り道」が見えてきます。
もしかしたらそれが彼女の言うところの「制約」なのかもしれません。
私のような凡夫はそれが見えてくるまでに時間を費やしますが、そこから体現するのにさらに時間がかかります。
それを継続してアッサリやってのけるのが天才なのかもしれませんね~