ダメ出しとnote

昔は家庭や学校、団体などで今では考えられないくらいひどい暴力がありました。そして「躾」「教育」「指導」といった大義名分さえあれば世間もそれを許してしまうような雰囲気がありました。

暴力に対して無自覚だった時代でした。もちろん物理的な暴力だけでなく心理的な暴力も含めての話です。

最近は多少マシになってきたかもしれません。

 

そんな暴力が現代でも亡霊の様に蔓延っている世界があります。

いまだに暴力でコントロールするようなやり方に効果があると信じている人たちがいます。

 

昨年、スポーツコーチングリーダー資格取得の際に受けた講義で一番時間が長かったのはパワハラ、セクハラに対する講義でした。

と言うことはまだまだスポーツの世界にはパワハラ、セクハラが蔓延しているという証左でもあります。

 

もちろん静稽会はそんな世界とは無縁です。みなさん立派な大人ですから。

 

少し話は逸れますが、演劇の世界で有名だったある演出家は役者が気に入らない演技をすると「灰皿が飛ぶ」と言われていました。

演技後の「ダメ出し」という言い方そのものも、その業界の体質を表しているような気がします。

 

先日、ある役者の方が海外の演出家は演技に対してまず「ラブリー!」「グレイト!」と言ってから「note」と言われる「提案」をすると言っていました。「ダメ出し」で指導するのではなく、役者自身に考えてもらう手法を取ると言います。

これはコーチングの手法です。

 

2018年5月5日静稽録「松下村塾」にも同じ様なことを書きましたが、私はnoteの手法を目指したいと思っています。

ちなみにnoteの動詞は「気づく」です。コーチングでは相手が自ら「気づく」よう促すことが大切だと言われています。