珍しく風邪をひいてしまいました。
年齢とともに治るまでに時間がかかります。
今回は時代劇の効果音の話です。
時代劇の抜刀シーンには「シャリーン!」、納刀シーンには「チンッ!」の効果音が必ず付けられます。
少し考えればわかることですが、刀本体は金属ですが、鞘は木材なので抜刀も納刀も基本的に金属音は出ません。
もし金属音が出るとすればそれは整備不良の刀ということになります。
おそらく鍔(つば)の緩みか?
鎺(はばき)の緩みか?
切羽(せっぱ)の緩みか?
そんな訳で普通はまともな刀からは金属音は出ません。
時代劇は大好きですが、ちょっと興醒めしてしまう私です。
また刀には樋(ひ)があるものとないものがあります。
樋とは刀の側面に引かれる溝のことです。この樋があると刀を振った時に空気を切る音(刃音)がします。時代劇ではこの音も良く入りますね。
私は差料に樋のない刀を選びました。
「不要に音の出る刀を武器とするのはいかがなものか?」
闇討ちや夜間戦闘を想定した◯◯組の方が言ったとか言わないとか・・・
まあ「樋」は第一には刀の軽量化のためですから、武器として必要な処置と言われればその通りなんですが・・・
(中には装飾のためというものもあります)
刃音そのものに囚われてしまうと稽古の邪魔になることもあります。
また「樋」がある刀は研ぎ代が高くつきます。
私はもっぱらそっちの理由だったりします。
そう言えば時代劇では人を斬る時の効果音も入りますね。
人斬りの効果音は茹でてない素麺をキャベツや白菜に絡んで切って出すと聞いたことがあります。
本当の音は・・・
もちろん聞いたことはありませんが、試斬をやった人は何となくあの効果音は違うだろうなあと想像出来ると思います。
よくバットで木を殴るような鈍い音だと言われますがよくわかりません。
また斬首の時は濡れた和手拭をパン!と振る音と同じ音がすると本で読んだことがあります。
気管から空気の漏れる音が出るからでしょうか?
いずれにしても効果音無しでは間が抜けた時代劇になってしまうのも事実です。でもあまり効果音に引っ張られ過ぎるのもいかがなものかと・・・
以前、刀(模造刀)を放り込むように納刀しているご高齢の初心者がいたので注意すると「(こうしないと)音が出ないので」と言われてしまいました(笑)
その方は全てが時代劇風?いや大衆演劇風?の動きになっていました。顔の表情まで・・・
やはり時代劇の影響は大です。