シュルレアリスム

風邪も完治してようやく「原状復帰」することが出来ました。

 

そして先日、念願のホキ美術館に行ってきました。

千葉市にある写実絵画専門美術館です。

すべてが写真と見紛うような絵画ばかりです。

 

すごい写実・・・でも・・・

絵画ってなんだろう?

写実ってなんだろう?

と考えさせられました。

 

写実は、英語では「リアリズム」、フランス語では「レアリスム」です。

 

絵画で「写実主義」といえば一般的には「目に見えている状態を再現的に描くこと」だと言われます。

 

その昔、天使などの理想化された美のみを描いていた画家たちに対してリアリスムの巨匠クールベは

 

「私は天使を描かない。なぜなら、天使の存在を見ることができないからだ!」

 

と言ったとか・・・

 

彼にしてみれば「これが本当のレアリスムだ!」というわけです。どうも細部まで現物通りにキッチリ描くと言うことだけがレアリスムというわけではないようです。

そしてこちらは同じ「レアリスム」でも「写実主義」ではなく「現実主義」というらしいです(笑)

 

さてお題の「シュルレアリスム」です。

日本語では「超現実主義」と訳されてます。

 

私なんかは「シュールリアリズム」と教わりましたけどね〜かなり古い?

「シュールだね〜」などと言われるとちょっと微妙な気持ちになったりします。

まあそこは横に置いておきましょう。

 

確かに「シュル」は英語でいう「スーパー」ですから「超」というのもわからなくはないです。

 

そして「シュルレアリスム」です。

「超」ですから、今度は一周回って天使を描きます。でも天使は出てきません。代わりになるものが描かれます。それは「目に見えないもの」です。

「目に見えないもの」とは・・・「無意識の世界」です。

それを描くためにいろいろな手法が考えられます。

 

「無意識の世界」と言われるとなんだか共感してしまうのはなぜでしょう。

私も「目に見えないもの」を稽古で掴もうとしています。

そしてそれを伝えようとしています。

 

目に見えている形(カタ)を「写実」することだけが稽古だと思っていると劣化コピーが出来上がって・・・終わりです。

私は形の中にある「目に見えないもの」をあぶり出して体得するのが稽古だと思っています。

 

「武術は爆発だ!」(岡本太郎風)

 

稽古はもっと「シュル」であってもよいかもしれません。