反則負け

このところ深夜までオリンピックの柔道を観ていて寝不足です。

パリオリンピックの柔道で「反則負け」が多いことに不満が出ているという記事をみました。

 

確かに試合中に消極的や偽装攻撃という理由で「指導」を受け、「指導」三つで「反則負け」というのは納得できない場面もあるかもしれません。

 

Hさんは剣術稽古で相手の懐に踏み込んで攻撃する際に足を踏んでくることが多々あります。

最初から足を踏もうとしている訳ではありませんが、相手の中心を攻めている中で結果として足を踏むことになると言います。

そしてそれは相手の動きを封じる攻撃としては大変有効だとして用いています。

 

柔道では故意に相手の足を踏みつけて技を仕掛ける行為は反則とされています。

Hさんの行為は柔道では「反則」?

武術ならどうでしょう。

武術には「反則」という概念はありません。

Hさんの行為は「反則負け」どころか優位に立つ技になります。

 

これが武術と柔道の違いです。

本来武術はスポーツではありませんから「ルール」はありません。

想定も違います。

武術の想定は敵は一人ではありません。

武器もさまざまです。

戦う場所の想定も多様です。

危険行為という概念もありません。

攻撃箇所、攻撃方法に制限はありません。

時間制限もありません。

 

またオリンピックの柔道の判定がおかしいと言う人がいます。

ルールがあるスポーツには判定が不可欠です。

その判定を人間がやることになれば完璧という訳にはいきません。

人間の判定に満足できないということになれば技や反則行為を細分化して学習したAIが判定をすることになります。

 

AI判定柔道になるとどうなるのでしょうか?

AIに勝ちと判定されるような技や反則勝ちの研究がなされて、本来の柔道からはどんどんかけ離れていく?

そしてまた新たな技や反則の種類も増える?

その先に柔道はあるのか?

もしかしたらますます柔道が面白くなくなるかもしれません。