昨年7月に市川市地域限定の初心者稽古会「健美居合会」が設立され、剣術、居合指導の依頼を受けて月2回出張稽古指導しております。
メイン会員は高齢の男女ですが、稽古前のストレッチなども念入りに行い、ケガのないよう丁寧にゆっくりとした稽古を進めています。
先日、懇親会が開催され、みなさんからこの一年間の稽古の感想などを聞くことが出来ました。
その中でこんなことを言った人がいます。
「とにかく稽古が終わったあとにスッキリするんですよ!」
ちなみにその方は82歳最年長の男性で若い頃に長年合気道を稽古していた経験があるそうです。
全く同じ言葉を静稽会の人たちからも聞いたことがあります。
その男性は「年齢的なこともあり著しく技術が向上するということはないかもしれないが、とにかく「スッキリする」というだけで十分続ける意味がある。それからいくつになっても出来たことを褒められるのは嬉しい」と言います。
すると別の方はこんな話をしていました。
「他の武術の会に体験に行ったところ、肩が上がらないと言っているのに無理な動きを求められた。上がらないものは上がらないのに・・・その点、健美居合会は無理ない範囲で少しずつ動かしていきましょうという指導なので安心する」
木刀を手にした時の目の輝き、袴を履きたいと袴の履き方、畳み方を覚えようとする姿勢、稽古で出来なかった動きを悔しがっている姿を見るとそこには若い人たちとは違う武術への向き合い方があると感じます。
また昨年取得した公益法人日本スポーツ協会認定スポーツコーチングリーダーや市川市公認スポーツ指導者の知識や経験も高齢者には十分活かされています。
「健美居合会」は1名も欠けることなく2年目に入り、さらに最近2名の新会員を迎えました。
新会員のお一人は現役の合気道女性指導者であり、別の武術も学びたいと非常に意欲的です。もう一人の男性の方も空手経験者です。
高齢者には若い人とはまた違う「真面目さ」があって、稽古中、稽古後の質問も頻繁です。質問の内容も多岐に渡ります。単に体の使い方だけではなく、文化全般に渡る質問などもあり、私も大変勉強になります。
くしくも今日は「敬老の日」ですが、やはり人生経験豊富な方々との稽古は若い方々とは違った趣きがあり、私自身も楽しく稽古させていただいております。