もしかしたら永遠のテーマなのかもしれません。
今年は大上段に振りかぶって私の稽古総見のテーマに掲げてみました。
どうやったらフワッと立ち上がれるのか?
煙が立ちのぼるように、軽く、立つそぶりも見せずにいつの間にか立ち上がれるようになりたい。
そんな思いを抱えながらこれまで稽古を続けてきました。
でもなかなか満足いく立ち方にはなりません。
掴みかけては遠ざかり、掴んだと思ったらやはり違うを繰り返してきました。
「どれも当たらずといえども遠からず」
ずっとそんな感覚を引きずったままです。
それでも先達に教えを乞い、書物を紐解き、何年も稽古を積み重ねていると少しはわかってくることもあります。
そして理屈がわかったとしてもそう簡単に出来るものでもない、ということもわかってきます。
それを可能にする体を鍛え続ける必要もあります。
さらにはどうも「仕掛け」は単純なものではなさそうです。もっと複数、複雑な「仕掛け」が組み合わさっていることもうっすら見えてきます。
先日、翡縁会の稽古にお邪魔してその「仕掛け」の一つを体感することが出来ました。
「ああ、これも加えたらさらに軽くなる」
確かにそう感じました。
目線をもっと広く、遠くに伸ばした先にこれまでとは違う道を見つけた気がしました。
数学の図形問題を解く際に仮想線を引いて解くような感覚に似ています。
そんなところにも解き方のヒントがあったのかと。
驚くような視点から解いていくのが数学の醍醐味ですが、もしかしたら稽古も同じなのかもしれません。
求めるものは一つでも辿り着く道は一つではありません。そして複数の方法を用いて異なった視点からアプローチすることは可能性をさらに高めてくれます。
だから稽古は面白い!