柔道着は丈夫に作られていますのでなかなか破れるようなことはありません。
柔道着が破れることを心配しながら稽古をしなくても良いので便利ではありますが・・・
昔、柔道を習っていた頃、乱取りで力任せに相手を引き摺り回している私に柔道の師はこんなことを言いました。
「本物の柔道の投げ技なら相手が紙の柔道着を着ていても破らないで投げ飛ばせるぞ!」
この師の言葉は長らく私の記憶に残っていて、どうやったら紙の柔道着を着ている相手を投げられるのか?と考えていたことがあります。
先日、ある本を読んでいたところ
嘉納治五郎はよくこんなことを言っていたと書いてありました。
「講道館柔道の投技は敵手が紙の稽古着を着て居ても之を破る事なくして投げ飛ばす様でなければならぬ!」
あ〜これだったんだ〜!
ネタ元を見てしまいました(笑)
紙の柔道着で試合してみるのも面白いかもしれません。
ちなみに1882年(明治15年)嘉納治五郎が「講道館」を開設した同じ年に山岡鉄舟は「春風館」を開設しました。
そんな山岡鉄舟が使っていた木扇の表には
「剣術の極意は風の柳かな」
裏には
「電光影裏春風を斬る」
と書いてあったと言われています。
「春風館」という名称にも感じるものがあります。
二人は同じような境地にいたのかもしれません。